委員長あいさつ
委員長挨拶
組合員のみなさま、日頃の組合活動への参加・参画、ご協力に改めて感謝申し上げます。
第15期は5つ、重点的・象徴的な取り組みを実施したいと考えております。
1.能登半島震災と復旧・復興について
元旦に能登地方を震源とした大きな地震が発災し、石川・富山・新潟を中心に店舗・従業員の家屋・生活インフラに大きな被害をもたらし、さらに能登地方で9月の連休に集中豪雨が発生、水害からの復旧は早くても年内いっぱいかかる見込みで、復興はその後という非常に厳しい状況になっております。
しかし下を向いてばかりはいられません。現地のみなさんが再び立ち上がろうしている中、イオングループも労使はその支援を継続していかねばなりません。まずは復旧のお手伝い、その後は東北の心をつなぐプロジェクトで培った知見を活かしながら今後の活動を模索していきます。
2.賃上げと日本経済、生産性の向上について
2月21日、イオンリテール労使はUAゼンセンの先陣を切って賃上げ交渉を妥結しました。労働協約締結各社労使もこれに続き、労連加盟単組も全て昨年を上回る実績で妥結しました。UAゼンセンのみならず日本の春闘相場をけん引する役割の一助を担えたのではないかと思います。
2年連続で大幅な賃上げを行いましたが、30年賃上げをしてこなかったダメージは大きく、日本の国力は相対的に低下してしまいました。直近の物価の上昇にも実質賃金は追い付いておらず、生活は日に日に苦しくなっている実感もあるはずです。
イオン㈱の中間決算は小売を中心に大幅な減益となりました。今後も賃上げを続けていくにはこれを上回る利益の創出が必要、つまり生産性の向上が労使の最重要課題と言えます。
ここで私たちは「労働組合として」「組合活動として」生産性向上に寄与出来ているのかを見つめなおさねばなりません。労働組合の重要な役割に「職場の課題解決」がありますが、業務のムリ・ムダ・ムラにメスを入れるような改善提案を私たちは出来ているのか、DXをはじめとする莫大な投資を講じている業務改革に現場は対応できているのか。レシートキャンペーンやトップバリュ試食会はマンネリ化していないか。
組合活動の成果の全てを「見える化」するのは困難ですが、可能なものは定量的・定性的目標を定めて、進捗を測り、成果を確認して次に活かす、生産性向上運動も成果を生み出すことを意識して取り組んでいく必要があります。みなさんのアイデア・意見を頂きながら検討を進めてまいります。
3.参院選と日本の政治について
国が良くなるのも悪くなるのも全ては政治に起因しています。既に衆院選が公示され、27日には投開票が行われます。貧困を拡大し、国力を大幅に低下させ、金権にまみれた政治を繰り返してきた現政権が続く状況を打破する必要があります。日本を正常な国にするためには政権交代が可能な政治体制が不可欠です。衆院選の結果によって再度政界再編の動きが始まり、2025年7月の参院選で日本の将来が決まります。
私たちの代表である田村まみ議員はカスタマーハラスメントを社会課題として認知させ、法整備あと一歩のところまで持ってきました。他にも年収の壁など様々な課題に取り組んでいます。
このたびUAゼンセンの組合員のなかまの声からつくった「働く仲間が笑顔になる政策」を掲げ、2期目のチャレンジに臨みます。産業の課題、勤労者の課題、子育て・介護・地域社会に関する課題、これらを解決していくためには田村議員の再選と政権交代に向けた政治体制の実現が必要です。田村さんを私たちの力で何としても当選させましょう。
4.ビジョン2030と中期政策について
委員長に就任した後、「共通のビジョンはあるけれども、それに向かって組織全体として具体的に何をどこまで持っていきたいと考えているのかが見えない」という課題を感じ、今期よりスタートする中期政策(2年)に盛り込もうと提案し、「働く・生きる・暮らす」領域における重点項目と方向性を表現しました。これを受け、各グループ・ゾーン・支部の実情と中期的な目標を掲げ、進捗管理をしながら取り組んで頂くことで、その総和であるイオンリテールワーカーズユニオンはビジョン実現につながると信じています。
5.新しい仲間と船出について
今期はイオンスマートテクノロジーという、グループのDXを支える会社で働くみなさんをイオンリテールワーカーズユニオンの仲間として迎える準備を進めています。
また、今大会をもってマックスバリュ北陸㈱グループはマックスバリュ北陸ワーカーズユニオンとして、マックスバリュ関東㈱グループはマックスバリュ関東ワーカーズユニオンという単組として独立します。
自分たちの力だけで活動していくことはとても大変なことですが、活動の全てを自単組に集中することも出来ます。これまで以上に仲間と話し、仲間を増やし、労使で会社の成長を実現していくことを願ってやみません。また、イオン労連における対等な仲間にもなりますので、共に支えあって活動してまいります。
第15期を終えた時に良くなったと言えるものを1つでも多く創っていきたいと願い、ご挨拶に代えさせていただきます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2024年10月17日
イオンリテールワーカーズユニオン
中央執行委員長 泉澤 匡範