委員長あいさつ

日頃よりイオンリテールワーカーズ ユニオンの活動にご理解・ご協力 いただきありがとうございます。 本部を代表しご挨拶をさせていただきます。

組合員の皆さま、日頃より組合活動へ積極的に参加参画いただき、心より感謝申し上げます。

第12期も新型コロナウィルスの感染拡大が続く中で、組合活動を進めることになり、組合役員をはじめ組合活動に参画頂いた方には、ご苦労をお掛けしたかと思 います。この一年の活動が推進できたことに、重ねて心より感謝を申し上げます。

〈主体的に社会の問題解決に取り組む〉

第12期の重点活動の一つである第26回参議院議員選挙では、それぞれの支部で活動を推進して頂いたことにより、歴史的な大きな成果を残すことが出来ました。全国比例区で立候補したUAゼンセン組織内議員「かわい たかのり」氏は3期目の当選を果たし、茨城県選挙区から初めて立候補したイオンリテールワーカーズユニオン出身の「堂込 まきこ」氏も初当選を果たすことが出来ました。

イオンリテールワーカーズユニオンは、2019年施行の第25回参議院議員選挙で当選した「田村まみ」議員に続き、二人目の国会議員を抱える労働組合となりました。このことは、大きな一歩でもあります。私たちは国会議員2人を抱える組織の責任として、私たちの理念である「社会を善くする」ことに向けて活動を進めていかなければなりません。私たち自身が、これまで以上に社会や地域に関心をもち、主体的に社会の問題解決に取り組み、また全国比例区選出議員として全国で活躍いただける「かわいたかのり」「田村まみ」の両議員については働く労働者や流通サービス産業の代表として、茨城県選挙区選出議員として茨城県を中心に活動を行う「堂込 まきこ」議員には、地域視点での問題を解決する代表者として、それぞれの立場から「私たちの幸せ実現」に向けて、連携しながら活動いただけることを期待したいと思います。

〈厳しい社会環境を乗り越える〉

私たちを取り巻く環境は、2021年から続く原油高に加え、2022年に入りロシアによるウクライナ侵攻や、円相場の急激な下落が発生し、光熱費の値上げや物価上昇が続き、私たちの日常生活にも直接的に影響が出始めています。この動向は世界的な動向でもありますが、欧米諸国は、新型コロナウイルスの感染拡大で自粛していた経済活動をいち早く再開し、上記に記載した環境下でも消費が急速に回復しており、物価と賃金を安定的に上昇させてきました。一方で日本は、5月から経済活動を徐々に再開したものの2020年から経 済活動を自粛してきた影響も大きく、未だに経済活動が活性化されたとは言えない状況下にあります。その結果として日本は世界と比較しても相対的に「物価も安いが賃金も安い国」となってしまいました。直近では海外観光客の受け入れが本格的に始まり、インバウンド需要が見込まれ、経済が活性化されることが期待されますが、一方で私たちの暮らしの問題が解決したわけではありません。

現在起きている光熱費の値上げや物価上昇のほとんどは、海外から輸入した原材料のコスト上昇分が転嫁されたものであり企業の収益に寄与するものではないため、企業にとっても厳しい経営状況にあります。

加えて、今後の日本は労働人口減少が進み、40年後には4割減少すると予測されています。私たちの働く環境をみても、「最低賃金」「同一価値労働同一賃金」「少子高齢化社会」「多様な価値観や働き方」等への対応が求められています。このような予測と課題に対しては、労働人口が減っても仕事がこなせる環境整備や、多様な人材が活躍できる制度整備が必須であり、生産性の三原則である①雇用の維持・拡大②労使の協力と協議③成果の公正配分を実践し、労使協働で難局を乗り越えていくことが必要です。

〈私たちの職場は私たちで守り善くする〉

私たちの雇用の確保と労働条件の維持・向上は、会社の健全な成長・発展が不可欠ですので、私たち一人ひとりが会社や自分が働くお店の発展に寄与していくことが必要です。そのために、私たちは時代の変化を捉え、また時には時代の変化を先回りして行動を起こしてしていくことが求められています。

私たちのライフスタイルは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、非接触コミュニケーションツールが定着し、直接対面する機会が減少したり、感染拡大を防ぐ施策として行動制限がされたことにより、宅配サービスの進化や自宅での過ごし方がこの数年間で大きく変化しました。また最近では国内の出張や旅行はもとより、海外へ渡航するハードルも下がり遠出をする方も増えるなど、ウィズコロナに向けての環境整備が進み、更に社会が大きく変化しようとしています。このような変化に対して私たちはいち早く変化に対応し、地域やお客さまのニーズに答え続けていかなければなりません。

日本国内はもとより海外の小売業には、変化に対応し大幅の業績を伸ばしている企業が多くあります。私たちは、他企業からも多く学べることがあり、この学びを通じて個々が成長し、成長した個々が集まり協力 しながら現実を変えていく必要があります。このような行動が私たちの職場を守ることにもつながります。 是非、労使で成長し続ける会社・お店を実現させていきたいと思います。

2022年9月1日にイオンリテール株式会社と清水商事株式会社が2023年3月1日に吸収合併すること が発表されました。この合併により、経営体制を一本化することで、イオンリテールが目指す食品とH&BCを中心とした小商圏型フォーマットの出店拡大や、両社の更なる業務効率化、スケールメリットの最大化を推進していくことになります。このことを実現するには、両社の従業員が一体となって、取り組みを進めていくことが必要です。今回の経営判断は、私たちが地域・社会から必要とされ続け、社会に貢献していくため、また組合員の幸せにつながる経営判断だと捉えています。この合併が成功するために、清水フードセンター労働組合と協力しながら対応をしていきます。

〈「対話・共感・協働」を軸にした組合活動の実践〉

イオンリテールワーカーズユニオンの組合活動は、新型コロナウイルスの感染拡大時には、組合員や組合 役員が集合して行う活動は自粛し、オンラインシステムを活用した組合活動を企画し、極力組合活動を止めないように活動を進めてきました。オンラインでの組合活動は、全国どこにいても組合員同士が交流することが出来るなど、多くのメリットがあります。一方で、組合員同士のつながりを深めにくいというデメリッ トもあります。

またこの3年近く続くコロナ下で後方施設でも従業員同士が休憩中に会話し交流する機会も減り、在宅勤務の方も居られ、職場のなかまや一緒に入社した同期と交流したくても出来ない、個人が抱えている悩みを一緒に働くなかまと共有をすることが出来ず、一人思い悩んでいる方も多く居られるかと思います。これからはウィズコロナの中での組合活動を構築していくことが必要であり、コンセプトに合わせて、オンライン で行うものと集合して行うものを併用しながら、組合活動を進めていきたいと思います。

戦略に込めた想いは、ビジョン実現に向けて、一人ひとりのやりたいことを一人でやるのではなく、なか まのつながりで、企画・実行していくことにあります。そのためには、ビジョンにあるように12万人のな かまが「相手に寄り添い対話し、共感を生み出し、共に行動をする」ということが重要になります。組合活 動の良さの一つに、年齢・年次や社員区分は関係なく、また事業所を越えて気兼ねなくつながりを深めることが出来ることです。このような多様ななかまの対話によって、イオンリテールワーカーズユニオンらしい活動を展開していき、ビジョン2030の実現に向けて活動を推進していきます。

今後の皆さまの活躍を祈念し、ご挨拶とさせていただきます。

2022年10月21日 イオンリテールワーカーズユニオン  中央執行委員長 村上 哲朗